虫歯ってどうやってできるの?
公開:2023/02/28 |更新:2023/06/06
虫歯ってどうやってできるの?
お口の病気で大部分を占めるのが、虫歯と歯周病です。
毎日歯磨きを行い気をつけているはずですが、なぜ虫歯になってしまうのでしょうか。
今回は、虫歯ができるメカニズムや虫歯になりやすい人ってどんな特徴があるのか、虫歯になりやすい場所などを詳しくご説明させていただきます。虫歯について理解することで、予防に繋がれば嬉しいです。
目次
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虫歯とは?
虫歯は、虫歯の菌であるミュータンス菌が原因で起こります。
お食事を召し上がると食べカスが歯の周りにつき、時間が経つにつれて歯垢(プラーク)と呼ばれるものが歯の周りに付着していきます。
その中には虫歯の菌であるミュータンス菌やさまざまな細菌が含まれており、これらの菌が糖を分解し酸を作り出して、歯を溶かしてしまいます。
これが虫歯です。
虫歯ができる仕組み
虫歯ができる原因には、歯の質、細菌(ミュータンス菌)、糖質が大きな原因の要素です。
これらが3つ重なると虫歯が発生してしまうため、気をつけなければなりません。
一つでもしっかり気をつけていればなりにくくなります。
糖質
糖質は虫歯菌であるミュータンス菌の餌であり、酸を作るためのものです。
そのため、時間を決めず、砂糖の入ったコーヒーをちょびちょび飲んだり、ダラダラおやつを食べてる方は虫歯のリスクがすごく高くなります。
細菌
食べ物を食べ、プラークが歯に付着するとミュータンス菌によって酸を産生し歯を溶かします。
虫歯にならないためには、この細菌を歯に付着させないようにしないといけません。
食べ物を食べたらしっかり歯磨きをし、プラークを残さないようにする事で、細菌の数を減らす事ができます。
歯の質
歯は、表層をエナメル質という固い物質で守られています。エナメル質があることで、虫歯菌が歯の内部にまで侵入することを防いでいます。
エナメル質を溶かしてしまう酸から歯を守ることが重要になりますが、人によってエナメル質の酸への抵抗力が異なります。
そのため、歯を強くするフッ素と呼ばれる薬を歯に塗布することが大切になります。
フッ素は虫歯になりかけの歯を再石化する作用や、歯を強くし、虫歯になりにくくする作用があります。
フッ素は毎日使う歯磨き粉にも含まれてるものがあったり、歯科医院でも高濃度のフッ素を塗布する事ができます。
虫歯になりやすい人の特徴
歯磨きが行き届いてない人
磨き残しが多い方は直接的に虫歯になりやすいです。
歯に歯垢が残っていると細菌が繁殖して、虫歯になりやすくなってしまう為、磨き残しがないよう、歯科医院でもチェックしてもらいましょう。
おやつをよく食べる人
甘いものに含まれている糖は虫歯菌の栄養になり、酸を産生し歯を溶かしてしまいます。
そのため、甘いものをよく食べる方は虫歯になりやすい傾向があります。
虫歯を予防するためにも、食べる時間を決めたり、キシリトールが配合されているものを選ぶのも効果的です。
ダラダラ食べ物を食べてしまう人
普段お口の中は中性であり、食べ物がお口に入ると酸性に傾き、食べ終わると次第に中性に戻っていきます。
ダラダラ食べている人は食べ物の種類に関わらず、酸性に傾く時間も長いため虫歯のリスクを高めてしまいます。
メリハリをつけてダラダラ食べ続けない事が大切です。
食べた後はしっかり汚れを落とし、虫歯のリスクを減らしましょう。
よくお酒を飲み過ぎてしまう人
お酒を飲みすぎて、そのまま寝てしまったことはありませんか?
夜間は唾液の分泌量が減ってしまい、口腔内が乾燥して虫歯になりやすい状態のほか、そのまま寝てしまい歯磨きができていない状況だとより虫歯になるリスクが高くなります。
そのほかにも、お酒の利尿作用により体から水分が抜けやすいため、唾液の量も減りやすくなります。
お酒を飲むときは水分補給も忘れず行うようにするとお口も潤いやすくなります。
歯並びが悪い人
歯が重なっていると、歯ブラシが当てにくいため、磨き残しが増えてしまい、虫歯のリスクが高くなります。
必要であれば、矯正などを行い、歯並びを良くすることで、磨きやすく、虫歯のリスクが大幅に減ります。
見た目の為だけでなく、虫歯予防の観点、ひいては将来の口腔内の健康のためにも、矯正治療をご検討いただけると良いかもしれません。
歯医者に定期検診に行かない人
人によって歯磨きはどうしても磨きやすい場所と磨きにくい場所があり、苦手なところは磨き残しが多く出てきてしまいます。
定期的に歯科医院で歯石を除去してもらったり、磨き残しのチェックをする事が虫歯のリスクを下げることになります。
虫歯ができやすい部位
虫歯ができやすい部位を理解していれば効率よく汚れを落とせ、予防効果が格段にアップします。
歯と歯の間
歯と歯の間は面で重なっているため、歯ブラシが届きにくくなっており難しいです。
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスなどを使用していただくとしっかり落とす事ができます。
歯と歯茎の境目
境目には1から2ミリ溝がありそこに汚れが溜まりやすくなります。
鏡を見ながら毛先が境目にしっかり当たっているのか確認しながら行ってみてください。
奥歯の溝
奥歯をよくみてもらうと噛む面が凸凹になっていると思います。そこに汚れが溜まりやすく、歯ブラシをするときは毛先を意識し、しっかり磨くようにしましょう。
虫歯になってしまった場合の治療法
虫歯になってしまったら、基本的に3つの治療のどれかになります。
①:虫歯の部分を削って詰め物をする
②:神経を抜いて被せ物をする
③:抜歯をする
虫歯治療はちょっと怖いイメージがあるかと思いますが、当院ではできるだけ痛みを感じないように丁寧に治療を行っています。
また、本当に歯科治療が怖い、歯科恐怖症、痛みに弱い、長い時間口を開けているのが辛い、嘔吐反射があるといったお悩みがある方のために、無痛睡眠麻酔による、無痛治療(静脈内鎮静法・点滴麻酔)も行っております。
無痛治療では、眠っている間に虫歯治療が終わるので、痛みや不快感を感じることがありません。
また、1回の治療時間を長く確保し、複数の虫歯を同時に一気に治療することができるので、既に虫歯が多く、歯がボロボロでお悩みの方にも安心して治療をお受けいただけます。
虫歯にならないためには、日々の小さな努力が重要です
気をつけているようで、いつの間にかできてしまっている虫歯ですが、日頃の甘い物の摂取の回数やどのあたりが1番虫歯ができやすいのかを頭に入れ、意識しながら歯磨きを行なっていただくと、今までより格段に虫歯になるリスクが下がります。
そして、定期的に歯科医院で汚れを除去し、どの辺がご自身の磨き残しが多いのかチェックしてもらう事は虫歯予防にとても大事なことになります。
虫歯は、早期に発見できれば、削る量も少なく済み、将来残せる歯が多くなる可能性が高いです。
ご自身で何か気になる事があれば、歯科医院で相談していただければと思います。