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銀歯に寿命はあるのか

公開:2023/09/06 |更新:2023/08/22

銀歯の寿命

銀歯に寿命はあるのか

歯の詰め物や被せ物は人工物なので、いずれ劣化し、再治療をしなければならなくなる時がきます。
保険で手軽に治療ができる銀歯は、多くの方が使用した経験があるのではないでしょうか。
今回は銀歯の寿命についてご紹介いたします。

銀歯とは

虫歯治療で歯を削ったら、削った部分を詰め物や被せ物で補います。保険診療で虫歯を治療した際に作られる金属製の詰め物や被せ物が銀歯にあたります。
銀歯は金属であり、金銀パラジウム合金と呼ばれる国で決められた素材で作られています。
保険診療では、治療の手順や使用できる器材、薬剤、診療時間などに制約がかかっています。
限られた条件のもとで行う銀歯の治療は、歯との適合性が良くないため、歯と銀歯の隙間に汚れが溜まり虫歯が再発する可能性が高くなります。
銀歯には保険が適用され、治療費が安いというメリットがありますが、金属アレルギーなど人体に悪影響を及ぼすこともあり、二次虫歯になりやすいことから歯科医院ではあまりおすすめできない材料です。
海外では銀歯の使用が禁止されている国もあります。

銀歯の寿命

銀歯の寿命は、一般的に5年〜7年と言われています。
お口の中の環境により、それよりも早く外れてしまう場合もあれば、10年以上使える場合もあります。
しかし、長年銀歯を入れっぱなしにしていると銀歯の下が虫歯になる、銀歯の形が変わってしまう、劣化して成分が溶け出してしまうといった状態に陥る恐れがあります。

銀歯がダメになる理由①

銀歯で使われている金銀パラジウム合金は、溶けやすい性質があります。銀歯は長年お口の中で使用することで金属イオンとなり、少しずつ溶け出して変形してしまいます。
お口の中は唾液により湿度が常に保たれており、熱いものや冷たいものを口にした際には大きな温度変化が起こります。
お口の中は金属イオンが溶け出しやすい環境に置かれているのです。
銀歯が溶けて腐食することによって形が変化してしまうことが銀歯が取れてしまう原因の1つです。
銀歯の形が変化してくると、銀歯と歯の隙間に汚れや虫歯菌が侵入し、虫歯を発症します。また、銀歯で隠れているため、初期の虫歯でも気が付かずに進行してしまう恐れもあります。
また、銀歯をつけるときに使用する接着剤も、古くなると時間とともに劣化してしまいます。
接着剤の劣化により、歯と銀歯との間に隙間ができて銀歯が取れてしまうことも多くあります。

銀歯がダメになる理由②

銀歯が溶けてしまうことは、身体にも悪影響を及ぼす可能性があります。
銀歯から溶け出した金属イオンが歯茎に沈着すると、メタルタトゥーと呼ばれる歯茎が黒ずむ現象が起こります。メタルタトゥーは、炎症症状や機能障害は認められませんが、審美的に問題とされています。
お口の中の金属は、常に唾液に触れているのでイオン化しやすく、体の中に蓄積されるとアレルギーの原因になります。
金属アレルギーの原因が歯科用金属である場合、原因となる金属(銀歯)を取り除き、アレルギーを起こしにくい材質(メタルフリー)のものと取り替える治療を行う必要があります。
歯科金属アレルギーの症状は、お口の中やその周囲に出る場合と、全身に出る場合があり、症状の原因が銀歯であることに気付きにくいことから、原因不明の体調不良に悩まされるというケースが多くあります。

銀歯を長持ちさせるために

銀歯を長持ちさせるためには、銀歯の下の歯が虫歯にならないように注意する必要があります。
銀歯の下は虫歯になってしまうことが多いため、毎日のブラッシングをしっかり行うこと、しっかりと定期検診に行くことが大切です。
定期検診では、銀歯の劣化具合を調べることもできます。
神経が残っている歯は痛みを感じることで虫歯に気付くことができますが、神経を抜いた歯は虫歯に気付くことが遅れてしまいます。
定期検診で早めに虫歯に気付くことができれば、二次虫歯が大きくなる前に治療することができるので、ご自身の歯を削る量が少なくすみます。歯の治療を繰り返していると、歯自体の寿命が短くなってしまうため、虫歯の早期発見は大変重要です。

銀歯ではない治療法

銀歯を白く変えるには「レジン」「セラミック」「ジルコニア」を使用するのが一般的です。
最近では、保険適用で白い歯にすることもでき、さらに自由診療であれば天然歯と変わらない美しさで治療が可能になっています。
保険を希望する場合、プラスチックのレジンか金属の二択となります。
小さな銀歯であれば、保険適用のコンポジットレジンという樹脂(プラスチック)で白い歯にできる場合があります。
近年保険適用の範囲が広がった「CAD/CAM冠」も保険で使える白い被せ物です。
コンポジットレジンやCAD/CAM冠は、すり減りやすく、時間がたつと変色してきますが、金属を一切使用しないので金属アレルギーや、メタルタトゥーの心配がなく、体に負担の少ない素材です。

自由診療であれば、「セラミック」「ジルコニア」の詰め物や被せ物をつけることができます。
セラミックは、見た目の美しさだけでなく、機能性や耐久性、生体親和性にも優れています。
セラミックはお口の中の温度による変化が起こらないため、銀歯のように溶けたり変形したりすることがありません。
セラミック治療は確かに高額ですが、銀歯と比べると寿命も長く、虫歯の再発リスクも低いため、長い目で見ると実はコストが良い治療法です。
ジルコニアは、耐久性や強度に優れているため、奥歯の治療におすすめです。
自由診療では、最新の接着剤を用いることができるため、被せ物や詰め物は外れにくく、長く使用できます。
銀歯よりも残った歯にしっかりと密着し、歯を密封する形になるので、虫歯菌が入り込んで二次虫歯になるリスクを抑えられます。
銀歯を白い歯に変えることは可能ですが、銀歯を外した後に歯を削る必要があります。
残す歯はできるだけ量が多い方が望ましいのですが、新たに白い詰め物・被せ物を取り付けるためには歯を削らなくてはなりません。
歯を削る量が多いほど、歯の寿命は短くなる可能性があるので、詰め物・被せ物を行う際には、はじめの選択が重要です。

人口歯の選択は長期的な視点で

人工歯が長持ちすること自体はとても良いことですが、銀歯に関しては長く使い続けていく中で、虫歯の再発や金属アレルギーなどのリスクが生じてしまうことをご理解いただけましたでしょうか。
虫歯の治療で詰め物・被せ物を選ぶ時は長期的な視点で考えるようにしましょう。
治療の材料を安易に選んでしまうと、将来的にさらに歯を削ることになってしまいます。
当院では、患者様にご自身の歯でなるべく長くおいしく食事をしていただきたいと考えております。
現在お口の中に銀歯が入っていて「見た目が気になる」「健康を重視したい」という方はお気軽にご相談ください。長期的に考えて、患者様お一人おひとりにベストな治療計画をご提案させていただきます。

歯科&矯正歯科オーラルデザインクリニック秋葉原 理事長/歯科医師 小野貴庸

【監修】理事長/歯科医師 小野貴庸

  • 明海大学歯学部卒業
  • 静脈内鎮静法下・全身麻酔下での口腔外科手術、各種外科治療、審美治療に特化

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