上手な歯の磨き方
公開:2022/11/11 |更新:2023/03/18
目次
上手な歯の磨き方
1日3回磨くよう推奨されている歯磨きですが、ただやみくもに磨くだけではきちんと汚れが落としきれず最終的にむし歯や歯周病を進行させてしまいます。
ここでは正しい歯の磨き方をお伝えしていきます。
歯を磨かないとどうなる?
歯磨きの主な目的としては歯の汚れ、歯垢(プラーク)と呼ばれるものの除去です。
歯磨きで歯垢を取り除くことでむし歯や歯周病の進行を防ぎます。
歯垢とは
歯垢(プラーク)とは細菌の塊で、その中には虫歯菌や歯周病菌など様々な細菌が数億個近く生息していると言われています。
歯垢(プラーク)は乳白色をしており、歯の色と近い色の為、意識して磨かないと磨き残しやすいです。
また水に溶けにくく、歯にべったりと付着している為うがいなどでは落としきれず歯ブラシやデンタルフロスなどで物理的に磨き落とす必要があります。
舌で歯を触った時にザラザラする感じがある場合は、歯垢(プラーク)が落としきれていない可能性があります。
歯垢(プラーク)のつきやすいところは?
歯垢(プラーク)は「歯と歯の間」「歯と歯ぐきの境目」「奥歯のかみ合わせの面」「歯並びが悪くガタガタしているところ」「生えている途中の歯」などが磨きにくく歯垢(プラーク)がつきやすいです。
これらの部位に歯ブラシの毛先が届くよう意識して磨くことが大切です。
正しい磨き方
正しい歯の磨き方にはポイントが3つあります。
毛先の当て方
歯ブラシは毛先で汚れを磨き落とします。
毛先をしっかりと歯面(歯と歯の間や歯と歯ぐきの間にも)に当てて磨きましょう。
歯垢(プラーク)は歯にべったりと付着しているので1ヶ所20回以上動かして磨く必要があります。
磨く力の強さ方
歯ブラシで磨く力の強さにも注意が必要です。
磨く力の強さは150g〜200gほどが適しており、歯ブラシを歯面に当てた時に毛先が広がらないくらいの力で磨きましょう。
毛先が広がった状態で磨くと、上手く歯垢(プラーク)が除去できなかったり、過度な強さで磨いてしまうことで歯や歯ぐきを傷つけてしまう恐れがあります。
歯ブラシの動かし方
歯ブラシを歯面に当てたら小刻みに動かしましょう。
大きなストロークで磨いてしまうと歯と歯の間に毛先が入りにくく磨き残しやすくなってしまうので、5㎜〜10㎜の幅を目安に歯を1本〜2本ずつ磨きましょう。
歯ブラシで磨くときは磨く順番を決めることで磨き残しが少なくなります。
また飲食後は、歯垢(プラーク)の中の細菌が糖分を代謝し酸を作り出すことで、お口の中のpHが酸性になりむし歯になりやすい環境になります。
そのため飲食後は歯を磨く習慣をつけ、むし歯になりにくい状態を保ちましょう。
歯磨きのタイミングとして飲食後が大切になりますが、就寝前の歯磨きも丁寧に行う必要があります。
寝ている間は唾液の分泌が少なくなり、お口の中の汚れを洗い流す自浄作用が弱まってしまいます。
細菌が繁殖しやすくなる就寝前に1日の汚れを落とすようなつもりでしっかりと歯磨きを行いましょう。
歯ブラシの選び方
歯ブラシには様々な種類がありますが、歯の大きさやお口の中の状態に合わせて選ぶことが大切です。
ヘッドと呼ばれる毛の生えた部分が大きすぎると奥まで届きにくく磨きにくかったりする為、自分のお口のサイズにあったものを選択しましょう。
また歯ブラシの毛が硬すぎると歯と歯ぐきの境目を磨くときに痛みを感じやすい事もあるので毛の硬さは普通〜柔らかめのものが良いでしょう。
同じ歯ブラシを長期間使用しているとブラシ部分に細菌が繁殖してしまったり、毛先が開いたりコシがなくなったものだと歯垢(プラーク)を落としにくくなるため、歯ブラシは1ヶ月に1本を目安に交換しましょう。
歯磨き粉の選び方
歯磨き粉にも様々な種類があるので自分にあった薬用成分のものを使用しましょう。
むし歯予防が目的であればフッ素入りのものがおすすめです。
フッ素には歯の再石灰化を促しむし歯になりにくくする効果があります。
歯周病予防には高い殺菌効果のある「CPC(塩化セチルビリジニウム)」や「IPMP(イソプロピルメチルフェノール)」が含まれているものがおすすめです。
歯ブラシや歯磨き粉も歯科医院で歯科医師や歯科衛生士に相談することで、自分にあったものが選びやすくなります。
その他のケア用品
歯ブラシ以外のケア用品には「デンタルフロス」や「歯間ブラシ」、「タフトブラシ」などがあります。
デンタルフロス
歯垢(プラーク)のつきやすい歯と歯の間は、歯ブラシの毛先が届きにくく汚れが残りやすい部分になります。
どんなに意識して歯と歯の間を磨いても、歯ブラシのみで落とせる汚れは60%程と言われています。
そこにデンタルフロスを併用することで歯垢(プラーク)の除去力は1.5倍程にもなりむし歯や歯周病の予防に繋がるという訳です。
デンタルフロスには必要な長さを切り取り、指に巻き付けて使用するタイプ(ロールタイプ)のものとホルダーにフロスが取り付けられているタイプ(ホルダータイプ)のものがあります。
自分のお口の中の状態や、使いやすいものを使用しましょう。
歯間ブラシ
歯間ブラシは中心の針金にナイロン毛が取り付けられたものやゴムタイプのものがあります。
ブリッジの隙間や歯ぐきが下がって隙間が空いてきた部分に使用しましょう。
歯間ブラシの形にはL字型やI字型があり、サイズも複数ある(ssss〜LL)ので自分に適したサイズを選択する事で、歯垢(プラーク)がより落としやすくなります。
タフトブラシ
タフトブラシは毛束が一つになっている、ヘッドの小さなブラシです。
歯並びが悪く歯が重なってしまっている部分や、通常の歯ブラシが届きにくい奥歯や生えている途中の歯を磨くことに適しています。
タフトブラシも毛の長さや毛の硬さが異なるので目的にあったものを選びましょう。
歯の正しいケアの方法
毎日行う必要のある歯磨きですが、磨き方や使用するもので汚れの落ち方は変わってきます。
歯科医院で一度、正しい歯の磨き方を教わり自分にあった歯ブラシや補助道具を使用し、しっかりと汚れを落としてむし歯や歯周病にならないようにしましょう。