セラミックの良いところ、悪いところ
公開:2022/10/08 |更新:2022/10/29
目次
セラミッククラウン・セラミックインレーは本当にダメなの?
セラミッククラウン・セラミックインレーは歯をたくさん削るので歯に悪いという情報を聞いたことがありませんか?
これはある意味正しく、ある意味間違っている情報です。
「セラミッククラウン・セラミックインレーは歯をたくさん削る必要がある」これは正しいです。
ではどうしてセラミックは歯をたくさん削らなければいけないのでしょうか。
セラミッククラウン・セラミックインレーとは
歯のかぶせ物・つめ物には、セラミック、金属(銀歯)、プラスチック(cadcam冠)の3種類があります。
セラミックは陶器と同じ素材でできているため、銀歯に比べると強度が弱くなります。
そのため、割れないようにするためにはある程度の厚みを持たせる必要があります。
一般的に、銀歯の厚みは1ミリ、セラミックは1.5ミ程度の厚みが必要と言われており、この厚みを出すために、セラミックの場合は銀歯より0.5ミリ程余計に歯を削る必要が出てくるのです。
そのため、「セラミッククラウン・セラミックインレーは歯をたくさん削る必要がある」という情報は正しいのです。
しかしながら、この説は、「虫歯が再発せず、一度の治療で終わる場合」という前提が必要になります。
銀歯は虫歯が再発しやすいと知っていますか?
銀歯は虫歯が再発しやすいということを聞いたことはありませんか?
再発すればやり直しを行う必要があり、その度に歯を削る必要が出てきます。
2度、3度と虫歯が再発したら・・・削る量は0.5ミリ以上になり、総合的にセラミックの方が削る量は少なくて済むようになります。
ですので、「セラミッククラウン・セラミックインレーは歯をたくさん削る必要がある」という情報はある意味間違っているのです。
ではどうしてセラミックは虫歯が再発しにくいのでしょうか。
虫歯が再発しにくい理由①
1つ目の理由は、型取りの時に使用する印象材(ピンク色のゴムみたいなもの)の材質が異なっているという点です。
保険適応である銀歯やcadcam冠は、「寒天アルジネート」と呼ばれる印象材を使用していますが、この印象材は精度が良い物ではなく、しっかりと型取りを行うことが難しい素材です。
一方で自費診療であるセラミックは「シリコン」と呼ばれる印象材を使用します。この素材は歯にしっかりと適合し、精密な型取りが行えます。
精密な型取りを行えると、歯と、かぶせ物の境目に段差ができにくく、汚れが貯まりにくいという利点があります。
そのため菌が繁殖しにくく、虫歯の再発を抑制できます。
虫歯が再発しにくい理由②
2つ目の理由は、セラミックは経年劣化せず、いつまでも表面がツルツルしている素材だという点です。
銀歯やcadcam冠は経年劣化で表面がザラザラとしてきます。ざらつきの隙間に入り込んだ汚れから菌が繁殖し、虫歯の再発に繋がってしまいます。
以上の点から、セラミックは虫歯の再発を防ぐことができるため、何度も歯を削る治療をする必要がなく、長い目で見ると良い治療であるということが言えます。
セラミッククラウン・セラミックインレーは悪いものではありません
単に銀歯を白くしたい、歯の色を変えたいという審美的な目的だけでなく、虫歯の再発を防ぎ、ご自身の歯を長い間大切にできるという機能的観点からもセラミック治療をご検討いただけますと幸いです。