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歯周病とタバコの関係

公開:2023/04/20 |更新:2023/07/10

秋葉原 歯医者 歯周病とタバコの関係

歯周病とタバコの関係

歯周病は、歯肉(歯茎)の炎症を引き起こす口腔内の疾患です。
歯周病は、歯と歯茎の境目にプラーク(歯垢)が付着することにより、その中に含まれる細菌によって歯肉の炎症が引き起こされます。
炎症が進行すると、歯肉は腫れて出血し、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の間に溝が生じてしまいます。
歯周ポケット内では更なる細菌の繁殖が進行し、歯周組織が炎症を起こします。
この炎症によって、歯根表面にあるセメント質や歯根膜などの歯の周りにある歯周組織が破壊され、歯を支えている歯槽骨が溶かされてしまいます。
歯槽骨の破壊が進行すると、歯を支える力が弱まり、歯が揺れてしまったり、最終的には歯が抜け落ちてしまうことになります。

歯周病は、歯磨き不十分によって起こるプラーク(歯垢)の付着が一般的な原因だと考えられていますが、実はタバコの喫煙による口腔内の環境悪化も、歯周病の主要な原因の一つです。

歯周病の進行を早めるタバコ

喫煙は、歯周病のリスクを高めるとされています。
タバコが歯周病の原因になると考えられている要因には、口腔内の細菌増殖と有害物質による影響があります。

喫煙による口腔内細菌の増殖

喫煙によって口腔内の細菌が増殖する理由は、タバコに含まれる化学物質による影響です。
タバコには、数百種類もの有害な化学物質が含まれています。
これらの化学物質には、細胞を傷つけたり、細胞の機能を変えたりする作用があります。

喫煙によって、口腔内の粘膜が傷つくと、炎症が起こりやすくなります。
この炎症が口腔内の細菌の増殖を促進するとされています。
また、タバコに含まれるニコチンが唾液の分泌量を減らし、口腔内の乾燥を引き起こすことで、細菌の増殖を助長することも知られています。

さらに、喫煙によって、歯周病を引き起こす細菌であるポルフィロモナス・ジンジバリスの数が増加することが報告されています。
この菌は、歯周病の代表的な原因菌の一つであり、歯周病の進行を促進することが知られています。
血液をエサとして増殖するため、歯周ポケット奥深くまで侵入し、急激に進行しやすくなります。

有害物質による影響

タバコに含まれる有害物質により、歯茎の血行が悪くなることで、酸素や栄養が行き渡らなくなってしまい、歯周病の発症率が高く、治りにくかったり、進行が速くなって進んでしまいます。
また、喫煙により免疫力が低下し、歯周病菌に感染しやすくなることも知られています。

ニコチン

ニコチンは血管を収縮させる作用があるため、歯茎に必要な栄養素や酸素を十分に届けられず、嫌気性菌である歯周病の原因菌の繁殖を促進してしまいます。
そして、血管収縮作用により歯周病になっていても出血が出づらく発見が遅くなってしまい、進行してしまっていることが多いです。

タール

タールは歯の表面に着色してしまうことがあり、付着することにより表面がザラザラしてしまい歯垢や歯石がつきやすくなります。
そして、黒く着色してしまうことから審美的にも見た目が悪くなってしまいます。

一酸化炭素

一酸化炭素が体内に入ると血液中のヘモグロビンと結合し、本来であれば酸素とヘモグロビンが結合し酸素を運搬しますが、ヘモグロビンと結合することにより血液が十分な酸素を運搬することが出来なくなり、嫌気性菌である歯周病菌が増殖していまいます。
一酸化炭素は体内に取り込まれると免疫機能を低下させてしまい、歯周病治療を行なってもなかなか治りにくくなります。

タバコによって歯周病が進行するメカニズム

炎症の促進

タバコにはニコチンやタールなどの有害な成分が含まれています。
これらの成分が口の中に入ることで、口腔内の細菌による炎症が慢性化し、歯周病の進行を促進します。

歯周組織の血流障害

歯茎の組織が正常に機能するためには、十分な栄養と酸素が必要ですが、タバコに含まれる有害物質が歯周組織の血管を収縮させ、血流を悪化させることで、歯周組織の炎症や破壊を引き起こすことが知られています。
また、喫煙によってタバコに含まれる一酸化炭素が、ヘモグロビンと結合して酸素を運ぶ能力を低下させることも、歯周組織の血流障害を引き起こす一因とされています。

免疫機能の低下

タバコに含まれる有害物質は、免疫系に悪影響を与え、細菌やウイルスなどの病原体に対する免疫機能を低下させます。
そのため、歯周病を引き起こす細菌が増殖しやすくなり、歯周病の進行を促進することが考えられます。

歯周ポケットの形成

タバコの煙が、歯垢に含まれる細菌を増殖させることが知られています。
その結果、歯周病の初期症状である歯肉炎が進行し、歯周ポケットと呼ばれる深い溝が形成されることがあります。
この歯周ポケット内部では細菌が増殖するため、歯周病が進行しやすくなります。

歯垢の増加

タバコに含まれる粘着性のある成分が歯垢の付着を付きやすくし、歯周病の進行を促進させてしまいます。

歯周病の治癒を妨げるタバコ

喫煙を続けていると、タバコにより血管が収縮し、炎症を起こしていても出血が出にくく、症状が分かりづらくなることがあります。
そのため、患者様ご自身が治療を中断してしまい、結果的に治癒が阻害されてしまうことがあります。

また、タバコに含まれる有害物質は、免疫系に悪影響を与え、細菌やウイルスなどの病原体に対する免疫機能を低下させます。
そのため、歯周病治療に必要な免疫細胞や炎症反応が減少し、治癒が妨げられることがあります。
有害物質の中には、歯周組織の再生能力を低下させる成分もあり、歯周病治療で行われる歯周組織再生療法などが効果を発揮しにくくなり、治癒が遅れることがあります。

さらに、タバコは歯周ポケットの形成促進、進行を引き起こします。
歯周ポケットが深くなると、細菌が蓄積され、炎症が悪化し、喫煙しない人に比べて治療期間が長引くことがあります。

歯周病の進行が落ち着いたとしても、喫煙を続けていると歯周病の再発リスクが高まるため、歯周病治療を受ける場合には、禁煙が治療効果を高めるために重要です。

禁煙が与えるお口への影響

歯周病の治療や予防には禁煙することがとても大切です。
禁煙することで、歯を支えている細胞の働きが良くなったり、歯茎の血流が改善されることで血中の酸素をしっかりと運搬することができるようになり、歯周病の原因菌の繁殖を抑制し、健康な歯茎に戻していくことができます。
そしてタバコの有害物質による阻害がなくなるため、歯周病治療の効果も出やすく、改善も見られやすくなり、治療後の歯周病再発リスクを抑制することが可能になります。
歯周病治療の効果を高めるためには、プラーク(歯垢)を減らすことが重要なのでご自身での歯磨きは怠らないようにすることも大切です。

そして歯周病への影響だけでなく、タバコは口臭の改善、歯の着色の軽減、そして口腔がんのリスクを下げることにも繋がります。
口腔がんは発症すると命に関わる怖い病気です。
ご自身の健康を守るためにも禁煙し予防することをお勧めします。

禁煙することで、歯周病や口腔内の健康改善が望めます

禁煙は、歯周病の進行を遅らせることができます。
喫煙をやめることで、口腔内の細菌バランスが改善され、免疫力も回復するため、歯周病の治療効果が高まります。
また、禁煙によって、口腔内の血行が改善されるため、歯周病の症状の改善にもつながります。
歯周病の予防や治療には、歯磨きやフロスなどの口腔ケアがまず第一に重要ですが、禁煙によってそれらの効果を高められます。
歯周病治療に専念する場合は禁煙することをおすすめいたします。
タバコをすぐに禁煙することは難しいですが、少しずつ本数を減らしていくだけでも大きな一歩になります。
何かお口のことでお困りのことがありましたらいつでもご相談ください。

歯科&矯正歯科オーラルデザインクリニック秋葉原歯科衛生士

【監修】歯科衛生士 渡邉

  • 歯周病治療、クリーニング、ホワイトニング等、お口の健康を第一に治療を行っています
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